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2025.08.27 コラム

宿泊分野で特定技能外国人を雇用する際の接遇研修と定着のコツ

宿泊分野で特定技能外国人を雇用する際の接遇研修と定着のコツ

宿泊分野で特定技能外国人を雇用する際の接遇研修と定着のコツ

インバウンド需要の急回復を受け、宿泊業界では特定技能外国人材の受け入れが加速しています。しかし、採用した人材が早期に離職してしまうという悩みを抱える事業者様も少なくありません。

特定技能外国人に長く活躍してもらうためには、日本式の「おもてなし」を理解してもらうための接遇研修と、安心して働き続けられる環境を整える「定着支援」が不可欠です。

本記事では、宿泊分野で特定技能外国人を受け入れる企業担当者様に向けて、明日から実践できる接遇研修のポイントと、定着率を高めるための具体的なコツを解説します。

なぜ今、特定技能外国人の「定着」が重要なのか?

特定技能外国人の受け入れは、単なる人手不足の解消策ではありません。多様な文化背景を持つ人材が定着し、活躍することは、組織全体の活性化とサービス品質の向上に繋がります。

人手不足だけではない、インバウンド需要に応えるための組織づくり

急速に回復するインバウンド需要に対応するためには、多言語対応はもちろんのこと、多様な文化を理解し、様々なお客様に質の高いサービスを提供できる組織づくりが求められます。特定技能外国人は、お客様との言語の架け橋になるだけでなく、その国の文化や習慣を社内に共有してくれる貴重な存在です。彼らが定着することは、企業の国際競争力を高める上で重要な鍵となります。

高い離職率の背景にある言語と文化の壁

外国人材の離職理由として常に上位に挙げられるのが、「言語の壁」と「文化・習慣の違い」です。特に、日本の宿泊業界で求められる「おもてなし」は、言葉だけでなく、表情や立ち居振る舞い、相手の意図を汲み取る姿勢など、非言語的な要素が多く含まれます。これらの背景を理解しないまま業務を行うと、本人も周囲の日本人スタッフもストレスを抱え、早期離職の原因となってしまいます。

【実践編】明日から使える!接遇研修3つのポイント

効果的な接遇研修は、外国人材の不安を解消し、自信を持ってお客様の前に立てるようにするための第一歩です。以下の3つのポイントを意識して、研修プログラムを組み立てましょう。

ポイント1:日本式「おもてなし」の”なぜ”を伝える

「お客様が何を求めているか、言われる前に察して行動する」「常に笑顔で、丁寧な言葉遣いを心がける」といった日本式の「おもてなし」。これをただのルールとして教えるのではなく、「なぜそうすることがお客様の満足に繋がるのか」という背景や考え方から丁寧に説明することが重要です。

  • 具体例: 「日本では、お客様が快適に過ごせるよう、先回りして配慮することが良いサービスとされています。だから、お客様が寒そうにしていたら、空調の温度を調整したり、ブランケットをお持ちしたりするのです。」

文化的な背景を理解することで、行動の一つひとつに意味が生まれ、主体的な「おもてなし」へと繋がります。

ポイント2:ロールプレイング中心の実践的トレーニング

座学で知識をインプットするだけでなく、実際にお客様役とスタッフ役に分かれて練習するロールプレイングを研修の中心に据えましょう。様々なシチュエーションを想定し、繰り返し練習することで、現場で直面する可能性のある様々な場面に、落ち着いて対応できるようになります。

  • シチュエーション例:
    • チェックイン・チェックアウト時の対応
    • 観光地への行き方を尋ねられた際の対応
    • クレーム(例:部屋が汚れている、食事が冷めている)への初期対応
    • アレルギーや宗教上の食事制限があるお客様への対応

ポイント3:やさしい日本語とビジュアル教材の活用

研修で使用する言葉は、専門用語や曖昧な表現を避け、「やさしい日本語」を心がけましょう。また、言葉だけでは伝わりにくい内容は、写真やイラスト、動画などのビジュアル教材を積極的に活用することで、理解度を格段に高めることができます。

  • 教材の工夫:
    • 良い例・悪い例を写真で見せる
    • 業務の流れをイラストで図解する
    • 接客の様子を動画で撮影し、フィードバックする

外国人材が「この会社で働き続けたい」と思うための定着のコツ5選

研修でスキルを身につけても、職場で孤立したり、将来に不安を感じたりすれば、定着には繋がりません。以下の5つのコツを参考に、働きやすい環境を整えましょう。

① キャリアパスの明示と公平な評価制度

「この会社で頑張れば、将来どうなれるのか」というキャリアパスを具体的に示すことが、仕事へのモチベーションを高めます。特定技能2号への移行や、正社員登用、役職への昇進など、明確な目標を共有しましょう。また、国籍に関わらず、努力や成果が正当に評価され、昇給や昇進に反映される公平な評価制度の構築も不可欠です。

② メンター制度と定期的な1on1ミーティング

業務の指導役とは別に、何でも気軽に相談できる日本人スタッフを「メンター」としてつけることをお勧めします。仕事の悩みだけでなく、日本での生活の不安なども相談できる相手がいることは、精神的な大きな支えとなります。また、上司と部下が1対1で対話する「1on1ミーティング」を定期的に実施し、本人の状況を把握し、悩みや不安を早期に解消することも有効です。

③ 生活面でのサポートとコミュニティづくり

会社としての義務的な支援(住居確保、各種手続き等)だけでなく、一歩踏み込んだサポートが定着率を左右します。例えば、地域の外国人コミュニティを紹介したり、同じ国出身の先輩社員との交流会を企画したりすることで、孤立感を和らげることができます。ゴミ出しのルールや騒音問題など、地域住民とのトラブルを未然に防ぐための情報提供も重要です。

④ 日本文化への理解促進と異文化交流の機会

外国人材に日本文化を理解してもらう努力と同時に、日本人スタッフが相手の文化を理解しようと努める、双方向の姿勢が大切です。社内で異文化理解研修を実施したり、各国の料理を持ち寄る食事会を開催したりするなど、互いの文化を尊重し合える風土を醸成しましょう。

⑤ 登録支援機関との連携による専門的サポート

自社だけでのサポートに限界を感じる場合は、専門家である「登録支援機関」と連携することを強くお勧めします。登録支援機関は、法律で定められた支援計画の実施はもちろんのこと、専門のカウンセラーによる定期的な面談や、多言語での相談対応、企業向けの研修プログラムの提供など、定着支援に関する豊富なノウハウを持っています。外部の客観的な視点からのサポートは、問題の早期発見と解決に繋がります。

まとめ:定着支援は未来への投資

特定技能外国人の受け入れは、採用して終わりではありません。むしろ、入社後の研修と定着支援こそが、最も重要です。時間とコストをかけて育成した人材が、言語や文化の壁を乗り越え、貴社にとってかけがえのない戦力へと成長してくれることでしょう。

今回ご紹介した研修と定着のコツは、すべてが未来への投資です。一つでも多くの取り組みを実践し、特定技能外国人と共に成長できる、強くしなやかな組織を目指しましょう。


特定技能外国人の接遇研修や定着支援にお悩みの宿泊事業者様へ

当登録支援機関では、各企業様の状況に合わせた研修プログラムの企画や、専門カウンセラーによる定着支援サービスを提供しています。特定技能制度の専門家として、貴社の課題解決を全力でサポートいたします。

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