特定技能「漁業」試験の完全ガイド|試験内容と現場で活きる必須スキル
特定技能「漁業」試験の完全ガイド|試験内容と現場で活きる必須スキル
日本の豊かな海で、プロの漁師として働く。特定技能「漁業」は、そんな夢を叶えるための在留資格です。しかし、その資格を得るためには、専門的な知識とスキルを証明する試験に合格しなければなりません。
「試験ではどんなことが問われるの?」「合格に必要なスキルって何?」
この記事では、特定技能「漁業」を目指すすべての方へ、試験の具体的な内容から、合格後に現場で本当に輝くための必須スキルまでを網羅した「完全ガイド」をお届けします。
合格への第一歩:特定技能「漁業」の2つの必須試験
特定技能「漁業」の資格を得るには、原則として以下の2つの試験に合格する必要があります。
① 漁業技能測定試験(漁業・養殖業)
あなたの専門分野を証明するメインの試験です。船に乗って魚を獲る「漁業」と、魚を育てる「養殖業」の2つの区分があり、どちらかを選択して受験します。
② 日本語能力試験(1号はN4、2号はN3レベル)
現場での円滑なコミュニケーションと安全確保のため、日本語能力も必須です。
- 特定技能1号: 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格、または日本語能力試験(JLPT)で「N4」以上に合格する必要があります。
- 特定技能2号: より高度なコミュニケーションが求められるため、「N3」以上への合格が必要です。
技能実習からの移行者は試験免除のチャンス
すでに「漁業」関連の技能実習2号を良好に修了している方は、上記①と②の試験がすべて免除されます。これまでの経験が、大きなアドバンテージになります。
【漁業・養殖業】技能測定試験の内容を徹底解説
漁業技能測定試験は、学科試験と実技試験で構成され、すべてコンピュータ(CBT方式)で実施されます。知識だけでなく、現場での判断力も問われるのが特徴です。
漁船漁業:学科と実技で試される知識と判断力
大海原で活躍するためのスキルを測ります。
- 学科試験: 漁具(網や釣り針)や漁労機械の知識、安全衛生、漁獲物の鮮度管理など、漁師として知っておくべき幅広い知識が問われます。
- 実技試験: 写真やイラストを見て、状況を正しく判断する能力が試されます。例えば、漁具のイラストを見てその名称や使い方を答えたり、魚の鮮度を見分ける問題などが出題されます。
養殖業:学科と実技で試される知識と判断力
魚や貝を育てるプロとしてのスキルを測ります。
- 学科試験: 養殖する生物の生態、餌の種類や与え方、水質管理、病気への対策、施設の安全衛生など、計画的な育成に必要な知識が問われます。
- 実技試験: こちらも写真やイラストを用いた判断問題です。例えば、養殖している魚の様子から健康状態を判断したり、いけすの異常を発見したりする問題が出題されます。
勉強法:合格の鍵は公式テキストの反復学習
試験対策の最も確実な方法は、大日本水産会などの公式サイトで公開されている「学習用テキスト」を繰り返し勉強することです。試験問題はすべてこのテキストの範囲から出題されるため、内容を完全に理解することが合格への最短ルートです。
試験の先にあるもの:現場で本当に求められる3つのスキル
試験合格はゴールではなく、プロの漁師としてのキャリアのスタートです。現場で「できるヤツだ」と一目置かれるためには、ペーパーテストでは測れない、以下の3つのスキルが極めて重要になります。
スキル1:安全意識と危険予知能力
漁業の現場は、常に危険と隣り合わせです。「これくらい大丈夫だろう」という油断が、大きな事故に繋がります。「もしかしたら、〜かもしれない」と常に危険を予測し、安全を最優先で行動できるスキルは、知識以上に重要です。ライフジャケットの着用や、機械の安全確認を誰よりも徹底する姿勢が、あなた自身と仲間の命を守ります。
スキル2:チームで動く協調性とコミュニケーション
漁船漁業はもちろん、養殖業も多くの人と協力して仕事を進めます。船長やリーダーの指示を正確に理解し、自分の作業状況をきちんと「報告・連絡・相談」する。仲間を思いやり、チームの一員として円滑に動ける協調性は、安全で効率的な操業に不可欠です。
スキル3:自然相手の仕事に必要な忍耐力と適応力
海は、人間の思い通りにはなりません。天候の急変で出漁が中止になったり、何日も不漁が続いたりすることもあります。そんな時でも、腐らずに次の準備をしたり、状況の変化に柔軟に対応したりできる忍耐力と適応力が求められます。自然への敬意を忘れず、謙虚に向き合う姿勢が、一流の漁師への道を開きます。
まとめ:試験合格はプロの漁師へのスタートライン
特定技能「漁業」の試験は、あなたがプロの漁師になるための知識と判断力の基礎が備わっていることを証明するものです。
しかし、本当の意味で一人前の漁師になるためには、試験で得た知識をベースに、現場での経験を通じて「安全意識」「協調性」「忍耐力・適応力」といった実践的なスキルを磨き続ける必要があります。
試験合格をスタートラインとして、日々の仕事に真摯に向き合うことで、誰からも信頼されるプロフェッショナルへと成長していきましょう。
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