【2025年最新】特定技能「建設分野」の全職種一覧!仕事内容をわかりやすく解説
「特定技能の建設分野で働きたいけど、どんな仕事があるんだろう?」
「自分の国の経験を活かせる職種はどれだろう?」
「受け入れを検討しているが、どの職種の外国人を募集できるのか知りたい」
建設業界で特定技能制度の活用を考えている外国人材や企業担当者の皆様から、このようなご質問を多くいただきます。
2022年8月に建設分野の特定技能制度は大きく再編され、以前よりも多くの職種で、そしてより柔軟に外国人材が活躍できるようになりました。しかし、情報が新しいため、まだ全体像を正確に把握できていない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、2025年最新の情報に基づき、特定技能「建設分野」の全職種を網羅した一覧と、それぞれの具体的な仕事内容を、誰にでも分かりやすく徹底的に解説します。
制度再編でより働きやすく!建設分野の3つの新しい業務区分とは?
まず、最も重要な変更点から解説します。これまで19種類に細かく分かれていた建設分野の業務区分は、2022年8月30日から、以下の3つの大きな区分に統合されました。
2022年の再編ポイント:19区分から3区分へ
この再編の最大の目的は、特定技能外国人がより広い範囲の業務に従事できるようにし、多能工として活躍できる環境を整えることです。これにより、事業者にとっては人材活用の柔軟性が増し、働く外国人にとってはキャリアの選択肢が広がるという、双方にとって大きなメリットが生まれました。
①「土木」②「建築」③「ライフライン・設備」の概要
新しい3つの区分は、建設工事の種類によって以下のように分類されます。
- 土木区分: 道路、橋、トンネル、ダムなど、社会の基盤となるインフラを造る仕事です。
- 建築区分: 住宅、マンション、学校、商業施設など、人々が生活し利用する建物を建てる仕事です。
- ライフライン・設備区分: 電気、ガス、水道、通信など、生活に欠かせないインフラを整備・維持する仕事です。
💡ポイント:日本人が行う「関連業務」にも従事可能に
今回の再編で、もう一つ大きなポイントがあります。それは、それぞれの専門業務に加えて、その仕事に従事する日本人が通常行っている関連業務にも付随的に従事できるようになったことです。
例えば、資材の運搬、現場の清掃・後片付け、簡単な機械のメンテナンスなど、専門作業の前後や合間に行う業務も担当できます。これにより、現場の一員として、よりスムーズに業務へ貢献することが可能になりました。
【土木区分】道路や橋など、社会の基盤をつくる仕事
土木区分は、私たちの生活や経済活動を支える、ダイナミックで社会貢献度の高い仕事が中心です。
- 型枠施工: コンクリートを特定の形に固めるため、木材や金属でできた「型枠」を組み立て、設置する仕事です。建物の基礎や橋の柱など、あらゆる構造物の根幹を担います。
- 鉄筋施工: 建物の骨格となる鉄筋を、設計図に従って網目状に組み立てる仕事です。構造物の強度を決定づける、非常に重要な役割を担います。
- とび: 高所での作業を専門とし、作業用の足場の組み立て・解体や、鉄骨の組み立てなどを行います。建設現場に不可欠な「縁の下の力持ち」です。
- 土工: 道路や宅地を造るために、地面を掘ったり、土を盛ったり、地盤を固めたりする、あらゆる土木工事の基礎となる仕事です。
- コンクリート圧送: ポンプ車を操作し、生コンクリートを型枠の中へ圧力で送り込む仕事です。大規模な工事では欠かせない専門技術です。
- 建設機械施工: パワーショベルやブルドーザー、クレーン車など、様々な建設機械を運転し、土砂の掘削や運搬、資材の吊り上げなどを行います。
- トンネル推進工: 専用の機械を使って、山や地下にトンネルを掘り進める仕事です。日本の交通網を支える重要な技術です。
- 海洋土木工: 港や防波堤、海底トンネルなど、海で行われる建設工事全般を指します。特殊な環境下での高度な技術が求められます。
- さく井: 地下水や温泉を汲み上げるために、専用の機械で地面に井戸を掘る仕事です。
【建築区分】住宅やビルなど、人々の暮らしの場をつくる仕事
建築区分は、人々が快適で安全な毎日を送るための「暮らしの場」を創造する、やりがいの大きな仕事が揃っています。
- 建築大工: 主に木材を加工・組み立て、住宅などの骨組みを造る仕事です。日本の伝統的な技術と最新の工法を駆使する、まさに「家の建築家」です。
- 左官: コテという道具を使い、壁や床、天井などをセメントや土、漆喰などで塗り仕上げる仕事です。美しい仕上がりには、熟練の技術が求められます。
- 屋根ふき: 瓦や金属板など、様々な材料を用いて、雨や風から建物を守る屋根を造る仕事です。
- 内装仕上げ/表装: 壁紙(クロス)を貼ったり、床材を敷いたり、カーテンレールを取り付けたりと、建物の内部を美しく機能的に仕上げる仕事です。
- 建築板金: 金属の板を切ったり曲げたりして加工し、屋根や外壁、雨どいなどを作る仕事です。
- 電気通信: 電話線やインターネットの光ファイバーケーブルなど、情報通信のための設備を設置・配線する仕事です。
- 鉄筋継手: 鉄筋コンクリート造の建物で、鉄筋と鉄筋を専用の継手で繋ぎ合わせる、構造強度に関わる専門的な仕事です。
- 吹付ウレタン断熱: 断熱材であるウレタンを、専用の機械で壁や屋根に直接吹き付け、高い断熱性・気密性を確保する仕事です。
【ライフライン・設備区分】生活に不可欠なインフラを支える仕事
ライフライン・設備区分は、私たちの快適で安全な生活を根底から支える、社会に欠かせない仕事です。
- 配管: 建物内外の給排水管、ガス管、空調管などを、設計図通りに設置・接続する仕事です。
- 保温保冷: 配管やダクトからの熱の放出や吸収を防ぐため、専用の断熱材や保冷材を巻き付けて保護する仕事です。エネルギー効率を高める上で重要です。
なお、この区分には「建築板金」や「電気通信」など、建築区分と共通する職種も含まれており、資格に応じて幅広い工事に携わることが可能です。
特定技能2号へステップアップ!現場リーダーとしての仕事内容
特定技能1号として経験を積んだ先には、特定技能2号への道が開かれています。2号は単なる作業員ではなく、現場のリーダーとしての役割が期待されます。
1号と2号の役割の違いは「工程管理」と「指導力」
1号が「指導者の指示のもとで作業する」のに対し、2号は 「自らの判断で業務を遂行し、他の技能者を指導しながら、現場の工程を管理する」 ことが求められます。まさに、班長や職長といったポジションです。
班長・職長として現場をまとめる具体的な業務
- 作業チームのメンバーへの指示出し
- 作業全体の進捗管理と調整
- 若手技能者への技術指導
- 現場の安全管理
建設キャリアアップシステム(CCUS)が2号への鍵
特定技能2号になるための実務経験は、建設キャリアアップシステム(CCUS) の就業履歴によって証明されます。日々の仕事の記録をCCUSにしっかりと蓄積していくことが、2号へのステップアップ、そしてその先のキャリア形成に不可欠です。
Q&A:建設分野の職種に関するよくある質問
Q. 未経験でも挑戦しやすい職種はありますか?
A. 「土工」や「とび(手元作業)」などは、比較的未経験からでも始めやすいと言われています。ただし、どの職種も専門技術の習得が必要であり、安全教育の徹底が前提となります。
Q. 給料が高いのはどの職種ですか?
A. 一般的に、専門性が高く、資格が必要な職種(例:建設機械施工、コンクリート圧送など)や、高所作業など危険を伴う職種は、給与が高い傾向にあります。
Q. 試験はどの職種で受ければ良いですか?
A. まずはご自身の経験や興味がある分野を選ぶことが大切です。3つの区分のいずれかの試験に合格すれば、その区分内の様々な業務に従事できるため、将来のキャリアパスを考えて選択することをお勧めします。
まとめ:あなたに合った職種を見つけて、建設分野のプロフェッショナルを目指そう!
今回は、特定技能「建設分野」の職種について、新しい3つの区分に沿って詳しく解説しました。
建設業界は、日本の社会を支える非常にやりがいのある仕事です。制度が新しくなり、外国人材の皆さんがより活躍しやすい環境が整ってきています。ぜひ、この記事を参考にあなたに合った職種を見つけ、日本で建設のプロフェッショナルを目指してください。
建設分野でのキャリアを本気で考えるあなたへ
さらに詳しい情報が必要な方は、国土交通省や(一財)建設技能人材機構(JAC)のウェブサイトで、試験情報や各職種の詳細を確認することをお勧めします。
また、私たちは、特定技能「建設分野」で活躍したい外国人の皆さんと、優れた人材を求める企業様を全力でサポートしています。職種選びの相談から、キャリアプランの作成、受け入れに関する手続きまで、専門のスタッフが丁寧にお手伝いします。どうぞお気軽にご相談ください。
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